秋といえばお月見。
月に浮かぶうさぎの姿は、日本ならではの美しい風習として親しまれています。
今回はそんな「月見」と「うさぎ」をテーマに、初心者でも楽しめる切り絵の作り方をご紹介します。
切り絵作家として10年、アクリル画で20年のキャリアを持つ私、コージー・ノア・ダニエルズが、楽しく、そして丁寧に解説します。

図案は無料でダウンロードできますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
月見とうさぎ
日本では古来より、満月の模様を「うさぎの餅つき」にたとえてきました。
秋の夜、家族や仲間と一緒に月を眺め、団子やすすきを供える「お月見」の文化は、平安時代から続いている伝統です。
月は豊作や収穫の象徴でもあり、月の中のうさぎは「実り」や「幸せ」を願う存在として親しまれてきました。

切り絵でうさぎや月を形にすると、紙の中に秋の風景をそのまま閉じ込めたような作品になります。
道具と材料の紹介
切り絵を始めるときに必要な道具は意外とシンプルです。
ほんの少しの準備で、秋の夜に似合う「月見うさぎ」を形にできます。

道具って、たくさんそろえないといけないのかな? なんだか難しそう…

心配しなくて大丈夫。必要なのは基本的なものだけだよ。100均でもそろえられるし、むしろシンプルだからこそ切り絵の魅力が引き立つんだ。
デザインナイフ(カッター)
細かなカーブや細部を切るためには、デザインナイフタイプのカッターがおすすめです。
持ちやすく刃先が細いため、うさぎの耳や月の輪郭など繊細な線もきれいに表現できます。
刃はこまめに交換すると、切り口が美しく仕上がります。

カッターマット
作業時には必ずカッターマットを敷きましょう。
机を傷つけないだけでなく、刃の通りが安定し、より正確にカットできます。
緑や黒のマットは目盛り付きで、図案を配置するときにも便利です。
100均でも売ってます。

紙
図案を切るには黒の上質紙を使うと安定感があります。
適度な厚みとコシがあるので、切った部分が崩れにくいのが特徴です。
背景には、白い画用紙や色画用紙 を使うのがおすすめです。
黒い切り絵がはっきりと映えて、作品全体が引き立ちます。
これらの紙は、100均ショップでも手軽にそろえることができます。


のり
貼り合わせにはスティックのりや液体のりを使います。
細かい部分は、先端が細いタイプや爪楊枝を使うと正確にのりをのせられます。

ピンセット(あると便利)
小さなパーツや、和紙のように柔らかい素材を扱うときに便利です。
必須ではありませんが、仕上がりの精度がぐっと上がります。
額(100均額でOK)
完成した切り絵は、額に入れることで一気に見映えが良くなります。
100均のシンプルな額でも十分美しく飾れますし、背景紙の色を工夫すれば、秋の夜空に浮かぶ月とうさぎの雰囲気をさらに引き立てられます。

作り方
切り絵は、手順を追って進めれば初心者でも安心して楽しめます。
まずは図案を準備し、次にカット、そして貼り合わせ──この流れで作品が完成します。
道具をそろえたら、いよいよ実際の制作に入っていきましょう。

一つひとつの工程を丁寧に進めることで、仕上がりがぐっと美しくなりますよ。
図案の準備
今回はコージーが用意した「お月見うさぎ」の図案を使います。
まずは図案をダウンロードして印刷しましょう。

印刷した図案を黒い紙の上に重ね、ずれないようにテープで四隅を止めるか、ホッチキスで軽く留めます。

しっかり止めてj固定しておくことが大事です。
これで図案の準備は完了です。

図案を紙に重ねて留めるとさ、“これから始まるぞ”ってワクワクしてくるね!
切り方
切り絵は、まず 内側の細かい部分からカット していきます。
印刷した図案を黒い紙に重ねたまま、上から刃を入れて切り抜きましょう。

うさぎのや月、星など小さな部分を先に仕上げておくと、紙全体が安定して扱いやすくなります。
細部を切り終えたら、最後に全体の 輪郭部分を一気に切る と、きれいに仕上がります。
大切なのは「焦らず、ゆっくり」。

カッターを動かすのではなく、紙を回しながら刃を進めると曲線も自然に切れます。

なるほど、細かいとこから先に切れば紙がズレないんだな。輪郭は最後っと!

貼り方
切り終えたら、切り絵の裏面にスティックのりや液体のりを 点描を打つように つけていきます。
べったり塗ってしまうと紙が波打ってしまうので、少しずつ均等につけるのがポイントです。

今回は白い画用紙に貼り合わせます。
背景が白だと、黒い切り絵がはっきりと浮かび上がって見えます。

和紙を背景に使えば、やわらかく温かみのある雰囲気に仕上がります。
お好みにでうさぎの「目」をペンでいれてみるのも楽しいですよ。
色を変えるだけで印象がガラッと変わるので、季節や飾る場所に合わせて選んでみるのもおすすめです。


なるほど、背景を変えるだけで雰囲気ガラッと変わるんだな。和紙はしっとりって感じで好きかも!
飾り方
完成した切り絵は、飾り方を工夫することでさらに魅力が引き立ちます。
額に入れて壁に飾れば、作品としての存在感が増し、お部屋の雰囲気を一気に変えてくれます。

窓辺に立てかけると、自然光や月明かりが差し込み、影まで美しく映し出されます。
また、背景紙の色を変えたり、和紙や色画用紙を敷いて季節感を演出するのもおすすめです。
秋の夜長にぴったりの「お月見うさぎ」として、食卓や玄関に飾れば、来客にも楽しんでもらえるでしょう。

飾る場所や背景によって作品はまるで別の顔を見せてくれます。ぜひ自分だけの飾り方を見つけてみてくださいね。
つくり方~ステップアップ編

色を加えると、一気に世界が広がります。同じ図案でもまるで別の作品みたいになるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
基本の切り方に慣れてきたら、色を加えて作品をさらに華やかにしてみましょう。
ここでは先ほどの「お月見うさぎ」の図案を使い、染め和紙を取り入れたステップアップの方法をご紹介します。
追加材料
色紙(色パーツ用)
うさぎや月、星に貼るための紙です。
染め和紙を使います。

トレッシングペーパー
図案を写し取って色パーツをつくるときに使用。
透明度が高いので、線をきれいにトレースできます。
トレッシングペーパーは100均でも購入可能です。

色パーツを貼る
トレーシングペーパーを図案に重ね、月・星・うさぎのパーツごとにアタリ線を描きます。

それを型にして染め和紙を切り抜き、切り絵の裏から貼り合わせていきましょう。


淡い色やグラデーションの和紙を選ぶと、やさしく幻想的な雰囲気になります。
背景紙
台紙には白い画用紙を使い、その上に染め和紙を全面に貼ります。


背景次第で作品の印象が大きく変わるので、季節や飾る場所に合わせて色を工夫してみましょう。
仕上げ
色パーツを貼り合わせた図案を、準備した背景紙にのり付けします。
位置を整えてしっかりと貼り付ければ、立体感のある華やかな作品に仕上がります。
色がつくことで表情が豊かになり、より一層「お月見」の雰囲気を感じられる素敵な切り絵になります。

わぁ、色が入るだけでこんなに雰囲気変わるんだな。すごいなぁ。

図案無料プレゼント

今回制作した図案を無料でプレゼント!
今回ご紹介した お月見うさぎの切り絵図案 を、無料でダウンロードしてお使いいただけます。
ご自宅での制作や、秋の工作、お月見の飾りづくりにぜひご活用ください。

【利用規約・注意】
- この無料図案は、個人での制作・鑑賞・プレゼントなど 非営利目的 に限りご利用いただけます。
- 作品をSNS等に投稿する場合は、出典として「コージー(cozypaperart.com)」と記載いただけると嬉しいです。
- 図案や作品を 商用利用(販売・有料ワークショップでの使用など) することはできません。
- 図案データの再配布、加工しての配布、二次配布は禁止です。
- 学校や地域サークルなど非営利のグループ活動で使用する場合は、事前にご連絡ください。
まとめ
- お月見といえば「月に浮かぶうさぎ」、日本ならではの美しい風習を切り絵で表現できる
- 必要な道具はシンプルで、100均でも揃えられる
- 作り方は「図案を準備 → 細部からカット → 貼り合わせ」の流れで進める
- 背景や飾り方を変えると、同じ図案でも印象が大きく変わる
- 無料図案をダウンロードして、初心者でも安心して取り組める

秋の夜長に切り絵を楽しむ時間は、とても心が落ち着きます。ぜひ自分だけのお月見うさぎを作ってみてくださいね。それでは次回、またお会いしましょう
切り絵の月とうさぎを見ていると…秋の夜風まで感じられる気がします。