梅雨の季節、雨に濡れて色づくアジサイ(紫陽花)は、心にやさしい彩りを与えてくれます。
そんな美しい花を、おうちで紙の上に咲かせてみませんか?
この記事では、アジサイの切り絵を簡単に楽しむ作り方を、やさしく解説していきます。
図案の写し方からカットのコツ、色紙での仕上げまで、初心者の方でも無理なく挑戦できる内容です。
私、コージー・ノア・ダニエルズは、切り絵作家として10年のキャリアを持ち、またアクリル画では20年の経験があり、国内外の公募展での入選や展覧会への出展など、幅広い活動を行っています。

手を動かして夢中になれる時間を、ぜひ一緒に楽しんでみましょう。
雨の日のおうち時間が、きっと特別なひとときになりますよ
目次
アジサイの魅力って?

アジサイって見た目以上に奥が深くて、切り絵にもぴったりな魅力がたくさんあるんだよ
色が変化する不思議な花
アジサイの花は、土の酸性度によって色が変わるという不思議な特徴があります。
青や紫、ピンクに変化する様子は、まるで魔法のよう。

切り絵では、色紙や透け感のある素材を使って、その幻想的な雰囲気を表現するのが楽しいポイントです。
たくさんの小さな花が集まって一つの大きな花になる
アジサイは、小さな花が密集してまるい形を作っています。
この構造を切り絵にすると、繊細なのに存在感がある作品に仕上がります。

ひとつずつの花びらを工夫して配置すれば、より立体感のあるアートにも。
和の風情もあり、洋風にも合う万能なデザイン性
アジサイは日本的な風情がありながら、洋風の庭にもよく似合う不思議な花。
そのため、和紙や金箔で上品にまとめるもよし、カラフルなペーパーでポップに仕上げるもよし。
どんなテイストにも合う、切り絵モチーフとしてとても万能な存在です。
道具と材料の準備

今回は、ポストカードサイズのアジサイの切り絵をつくってみよう!
アジサイの切り絵を始める前に、必要な道具や紙をそろえておきましょう。
今回は、手軽に取り組めるポストカードサイズで制作します。

紙
使う紙を用意しましょう。
今回はポストカードサイズ(100×148mm)でアジサイの切り絵をつくっていきます。
大きな画用紙を切ってサイズを整えてもいいですし、最初からポストカードサイズになっている紙でももちろんOK!

あまり薄い紙だと、細かいカットが破れやすくなるから、ちょっと“張り”のある紙を選ぶのがポイントだよ
紙の色は白が基本ですが、色付きの画用紙や淡いパステルカラーを使ってもふんわり優しい雰囲気に仕上がります。

今回、コージーは白い紙を使います。
仕上がりに絵の具やインクで彩る予定なので、発色がきれいに出るように選びました。
道具

道具って、全部そろってなくても大丈夫。まずは身近にあるもので気軽に始めてみようね
アジサイの切り絵づくりに使う道具はこちらです。
カッター(デザインナイフやアートナイフなど)
細かいカットがしやすいものがおすすめです。

カッターマット(机を傷つけないために)
下敷き代わりにもなります。100均のものでOK!

ピンセット(あれば)
細かい紙を貼るとき作業に便利です。

トレーシングペーパー(図案を写すときに便利)
写しやすくて、色パーツをつくるのに便利なアイテムです。

絵の具
色パーツの彩色に使います。
コージーはカラーインクをよく使いますが、普通の水彩絵の具でも大丈夫!

のり
色パーツを切り絵に貼るときに使います。
スティックのり、液体のり等が自分の使いやすいもので。

図案をつくろう

今回は、簡単にできる図案の作り方を紹介するよ
今回の切り絵は、面をぬいて白い線を残すタイプの図案です。
ぬかれた部分に、あとで色のパーツを貼り合わせていくスタイルになります。
つまり、線で形を描くのではなく、白い線の“残し方”がポイントになる切り絵です
まずはベースの形を描こう
まずは、本番用のポストカードサイズの紙にいきなり描かず、コピー紙やメモ用紙など別の紙に下書きしてみましょう。
紙には、ポストカードサイズ(100×148mm)の罫線を軽く引いておくと、あとでバランスがとりやすくなります(これが仕上がりのガイド線になります)。

次に、大きな丸をひとつ描いてみましょう。

次に楕円の円を描く描きます。

この楕円は、葉っぱのベースとして使います。
大きな丸の内側に、大小の小さな丸をいくつか描いていきます。

丸の大きさに変化をつけたり、少しずつずらして配置すると、自然でふんわりとした雰囲気に。
この「丸の集合体」が、アジサイの花の土台部分になります。
きっちり並べるより、ちょっとランダムにした方が、やさしい印象に仕上がりますよ。
葉っぱの方は楕円の中に三日月の線を描きます。

花びらを描いてボリュームアップ
今描いた大小の丸の中に、花びらを描いていきます。
一つの丸の中に、4つの四角(花びら)を描きましょう。

線と線が重ならないように、少し間隔をあけて描くのがコツです。

全部の丸に花びらが描けたら丸と丸の間の隙間にも、小さな四角や三角を足していきましょう。


隙間がないほうが、カット後にお花がぎゅっとまとまって見えて、完成度が上がるよ
筆入れ
鉛筆で描いたラフを、マーカーやボールペンでなぞって図案を仕上げましょう。
線がガタつかないように、ゆっくり丁寧になぞるのがコツです。

線が描き終わったら、消しゴムで鉛筆の下書きをやさしく消します。

これで図案の完成です。

できあがった図案は、コピーを取っておくと安心だよ。
もしカットのときに失敗しちゃっても、すぐにやり直せるからね!
カットの仕方
仕上げた図案を、ポストカードサイズに切っておいた本番用の紙の上に重ねてセットします。

ずれないように、マスキングテープやセロハンテープで四隅を軽く固定しましょう。

そのまま図案の上からカッターで切っていきます。

下にカッターマットを敷いて、刃が安定するように気をつけて。
線の通りに、ゆっくり丁寧にカットしていきましょう。

焦らず、少しずつ刃を進めていくのが、きれいに仕上げるポイントです。

最初からうまく切れなくても大丈夫。紙の感触を楽しみながら、少しずつ進めていこうね
色パーツの作り方
切り抜いた線の中に色を入れていくために、色パーツを用意します。
アジサイの花や葉の部分に色が加わると、作品がぐっと華やかになりますよ。
まずは、トレーシングペーパーを切った図案に重ねて、アジサイの大きな丸の部分にアタリ(目安)をとります。


花ひとつひとつでなく、全体を囲みます。
同じように、葉っぱの位置にもアタリをとっておきましょう。
次に、色パーツをつくるための紙と絵の具を用意します。
塗る面積は、ポストカードくらいの大きさを目安にざっくりと塗ってOK!
あとでトレーシングペーパーのアタリ線を使ってカットするので、だいたいで塗っても問題ありません。
自由に、大胆に色をのせていきましょう。
アジサイは紫系の色を中心に、葉っぱは緑色で塗っていきましょう。

同系色を重ねたり、グラデーションっぽく塗ると、自然なニュアンスが出て雰囲気がアップします。
ちょっと色ムラが出ても大丈夫!

最終的に切った図案を重ねるので、仕上がりはきれいに見えます。

ちょっとムラがあるくらいが、アジサイらしい味わいになるよ。水彩ならではの魅力、楽しんで!
色パーツの貼り合わせの仕方
色を塗った紙に、アタリをとったトレーシングペーパーを重ねます。
そのままトレペの線をガイドにして、色パーツをカッターやハサミで切り抜いていきましょう。


できあがった色パーツは、切り抜いた図案の裏側から貼り合わせていきます。
糊をつけるときは、点描を打つように、少しずつ“チョンチョン”と乗せるのがポイントです。

はみ出さないように、少量ずつつけるのがきれいに仕上げるコツ。
パーツがずれないように、ピンセットなどを使って丁寧に位置を合わせましょう。

すべての色パーツが貼り終わったアジサイの切り絵、完成です。

アジサイの切り絵を素敵に飾ろう
完成したアジサイの切り絵は、ぜひ額に入れて飾ってみましょう。
窓辺や玄関など、ちょっとした場所に置くだけでも季節感が出て、とても素敵です。


100均で手に入るシンプルなフレームでも十分に映えます。

透明のフレームや、少しナチュラルな木枠もおすすめです。
まとめ
- アジサイの切り絵は、初心者でも挑戦しやすく、仕上がりも華やか
- 図案は、丸と四角を組み合わせて気軽につくれるよ
- 色パーツは手塗りでOK!ムラがあっても水彩らしい味わいに
- カットはゆっくり丁寧に、糊は少量ずつがコツ
それでは次回またお会いしましょう。
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