繊細な紙のラインで描かれる「切り絵」。その中でも鳥のモチーフは、羽ばたく姿や丸みのあるシルエットが可愛らしく、作る人の個性も映える人気のテーマです。
この記事では、初めての方でも気軽に挑戦できるように、鳥の図案の作り方からカットのコツ、仕上げまで、分かりやすく丁寧にご紹介します。
私、コージー・ノア・ダニエルズは切り絵作家として10年、アクリル画で20年のキャリアを持ち、国内外の公募展での入選や展覧会への出展を通じて、幅広い活動を行ってきました。

「自分だけの鳥の切り絵を作ってみたい」「プレゼントやお部屋の飾りにしたい」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
鳥モチーフの切り絵の魅力

まだ作ったことないけど、鳥の形ってシンプルでも可愛くできそうだね。どんな鳥が一番おすすめ?

最初は丸いフォルムの小鳥がおすすめだよ。カーブを切る練習にもなるし、色を変えるだけで雰囲気もガラッと変わるんだ。

なるほど!難しそうに見えても、基本の形から始めれば気軽に楽しめそうだね。私もチャレンジしてみたいな!
切り絵で表現する鳥の美しさと楽しさ
鳥は、羽ばたく姿や丸みのあるフォルムがとても美しく、切り絵で表現するのにぴったりのモチーフです。
羽の重なりや尾のライン、くちばしの細やかな形まで、紙一枚でさまざまな表情を作り出せます。

切り抜いたシルエットに光が差し込むと、まるで鳥が本当に動き出しそうな印象に。
色紙や背景を工夫することで、自分だけの物語を感じさせる作品に仕上げることができるのも大きな魅力です
初心者でも楽しめる理由
鳥の切り絵は、一見むずかしそうに思えるかもしれませんが、シンプルな形から始めれば初心者でも十分に楽しめます。

丸や三角を組み合わせるだけで、かわいらしい鳥のシルエットが完成しますし、細かい部分は徐々に練習すれば大丈夫。
図案をなぞるだけでも本格的な作品ができるので、絵を描くのが苦手な方にもおすすめです。
必要な道具も少なく、紙とカッターがあれば手軽に楽しめるのが鳥モチーフの切り絵の魅力です。
用意する道具と材料

コージー、切り絵ってやってみたいけど…道具って何を用意したらいいの?

大丈夫、難しく考えなくていいよ。カッターと紙、それとカッターマットがあれば、すぐに始められるよ。

えっ、そんなにシンプルなんだ!特別な道具がないとできないと思ってた。

最初はシンプルでOK。慣れてきたら紙の種類や色を変えて、いろいろ試してみるのも楽しいよ。
切り絵を始める前に、まずは必要な道具や材料を揃えておきましょう。
特別なものはなくても、基本のセットがあれば十分に楽しめます。
道具ひとつひとつにも、切りやすさや仕上がりに差が出るポイントがあるので、自分に合ったものを見つけることも大切です。
ここでは、コージーが実際に使っている道具や、おすすめの用紙・色紙について紹介します。
カッター・紙・カッターマット
切り絵を始めるためには、まず基本的な道具を揃えましょう。
主役となるのは「カッター」です。細かい部分まできれいに切るためには、切れ味のよいデザインナイフがおすすめ。


替え刃も用意しておくと、切れ味が落ちたときすぐに交換できて安心です。

用紙は、少し厚めの上質紙や色画用紙が扱いやすいです。

はじめは白いコピー用紙で練習してみるのもよいでしょう。
また、作業時には下敷きとしてカッターマットを用意します。

机を傷つけず、刃も長持ちするので必須アイテムです。
カッターマットがなければ、厚紙などで代用することもできます。
色紙や装飾アイテムの選び方
切り絵は「黒一色」だけでなく、色紙を使うことで作品の雰囲気が大きく変わります。

鳥の切り絵なら、やわらかなパステルカラーや自然な色味の紙を組み合わせると、作品がぐっと華やかになります。

背景に好きな色紙を合わせるだけでも印象が変わるので、何パターンか試してみるのもおすすめです。
さらに、和紙、透け感のあるトレーシングペーパーを使うと個性がプラスされます。


自分だけの「お気に入り素材」を見つけて、自由にアレンジしてみましょう。
図案の作り方
切り絵を始めるうえで、図案はとても大切な土台になります。
どんなモチーフにするか、どんな線で構成するかによって、仕上がりの印象がぐっと変わってきます。
ここでは、シンプルな鳥の図案を自分で描くコツと、便利な素材の探し方をご紹介します。
シンプルな鳥図案の描き方
鳥の図案は、曲線と丸みを活かすことで、やさしい雰囲気に仕上げることができます。

最初は、くちばし・目・羽・しっぽといった基本的なパーツを意識して、単純な形から描き始めてみましょう。
丸を重ねるようにして「頭と胴体」を描くと、シルエットがかわいらしく整います。
ポイントは、“抜ける形”を意識すること。
切り絵は線がつながっていないとパーツが切り離されてしまいます。

慣れてきたら、小枝や花などを背景に加えて、物語のある図案に発展させてみても素敵です。

フリー素材や自作図案の活用法
「いきなり自分で描くのはちょっと不安…」という方には、フリー素材を活用するのもおすすめです。
インターネット上には、切り絵用に公開されている鳥の図案やシルエット素材が多数あります。

ただし、利用規約をよく確認し、個人利用の範囲で使うようにしましょう。
また、自分で写真やイラストをトレースして、切り絵向けにアレンジする方法もあります。
鳥のシルエット写真を参考に、線を簡略化したり、切り抜きやすいように輪郭を調整したりすることで、オリジナルの図案が作れます。

「自分で描く」「素材を活かす」「組み合わせてアレンジする」など、図案づくりにも楽しみ方はいろいろ。
まずは気負わず、自分のペースで一枚を描いてみましょう。
切り方

コージー、いよいよカットなんだね。やっぱり緊張するかも…線がガタガタになりそう。

わかるよ、最初はみんなそう。カッターをゆっくり動かしながら、紙の角度を少しずつ調整すると滑らかに切れるよ。

紙の角度を変えるんだ? カッターを動かすだけじゃダメなの?

うん、無理に刃を曲げるよりも、切りやすい向きに紙の向きを合わせるほうが自然にきれいに切れるんだ。
図案ができたら、いよいよカット作業に入ります。切り絵において“カット”は作品の印象を決める大事な工程。
線のなめらかさ、角のシャープさ、曲線のリズム…どれも丁寧なカットによって引き立ちます。
ここでは、基本的なカットの手順と、細かい部分をきれいに仕上げるためのちょっとしたテクニックをご紹介します。
カットの基本
まずは、描いた図案を色紙やカット用の紙にテープで仮止めしましょう。

図案を上に重ねたまま、そのまま切っていく方法(図案上カット)は、初心者の方にもおすすめです。

図案を直接カットしていくので、あらかじめコピーを取っておくと安心です。
カット作業では、焦らず、ゆっくり丁寧に進めることが何より大切です。
急ぐと曲線がガタついたり、角の仕上がりが崩れやすくなってしまいます。
曲線を切るときは、カッターを無理に曲げずに、紙の向きや角度を少しずつ調整しながら切るのがコツです。

特に丸い部分では、カッターの動きを止めずに、自然な流れで手元全体をなめらかに動かすよう意識すると、きれいなラインが出やすくなります。
細かいところカットするテクニック
細かいパーツや繊細なラインを切るときには、少しコツが必要です。
たとえば細かいパーツは、最初に切っておくと、あとから大きな部分を動かす際にも崩れにくくなります。

切る順番も大切で、細かい部分 → 中くらい → 大きな輪郭 という順に進めると、紙全体が安定しやすく、作業もしやすくなります。
強く押しつけるのではなく、軽い力でゆっくり刃を動かすと、紙がつぶれにくく、きれいな仕上がりになります。
色付けや仕上げのアイデア

切り絵って切ったら終わりかと思ってたけど、色をつけたり飾ったりもできるんだね!

うん、色を重ねるだけで雰囲気がガラッと変わるよ。背景の紙を選ぶのもすごく楽しい時間なんだ。

なるほど〜。じゃあ、季節に合わせて色を変えるのもアリ?

大アリ!春ならピンクや若草色、秋なら深い赤やオレンジ。自由にアレンジして、自分だけの世界をつくってみて。
切り絵の楽しみは、カット作業だけではありません。
図案を切り抜いたあと、どんな色を合わせるか、どうやって飾るかによって、作品の印象はぐっと変わります。
ほんの少し色や配置を工夫するだけで、自分らしい世界観が生まれます。
ここでは、色紙の重ね方や仕上げのアレンジ方法についてご紹介します。
カラフルな紙の重ね方
切り抜いた黒いシルエットに、色を加えることで作品の雰囲気は一気に華やぎます。
たとえば、鳥の背後にやさしい水色を重ねれば空を感じさせる演出に、桜色の紙を使えば春の訪れを表現できます。
折り紙や和紙など、質感のある紙を使うことで、作品に奥行きややわらかさが加わります。
たとえば、鳥のくちばしや花の中心だけ色紙を足すだけで、ぐっと印象が引き締まります。

部分的に色を使うことで、全体のバランスもとりやすくなります。
背景アレンジや飾り方
完成した切り絵は、そのまま飾ってももちろん素敵ですが、背景や額装を工夫することで、作品の魅力をさらに引き出せます。
背景には、柄の入った紙や、やさしいグラデーションの色紙を使うと、物語性がぐっと高まります。

飾り方としては、透明のアクリルフレームや和紙を重ねた台紙、ミニ額縁に立てかける方法などもおすすめです。

壁に貼るだけでなく、カードやしおりに仕立てて贈り物にするのも、切り絵ならではの楽しみ方です。

少しの工夫で、切り絵は「作品」としてぐっと完成度が増します。色や背景を選ぶ時間も、ぜひじっくり楽しんでみてくださいね。
実際に作ってみよう

実際に作ってみるよ。じっくり解説していきます。
ここからは、コージーが実際に鳥の切り絵を作ってみる様子をご紹介します。
図案を描くところから、カット、色紙の貼り合わせまで、ひとつひとつの工程に込めた工夫やコツもお届けします。
「どうやって進めればいいのか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
図案を描きます
まずは、鳥の図案を描くところからスタートします。
鉛筆でラフを描きます。

今回は、丸みのある小鳥と桜の花を組み合わせた、やさしい雰囲気のデザインにしてみました。

頭・胴体・羽・しっぽと、基本のかたちを丸や曲線で構成すると、シンプルでかわいらしい形になります。

目や羽の模様は、切りやすいようにどこかとつながる構造にしておくのがポイントです。
次に筆ペンでなぞって図案を仕上げます。

コージーは筆ペンを使いますが、普通のペンやマーカーでも何でも構いません。

カットします
描いた図案を色紙の上に重ね、テープでしっかり仮止めします。


今回は「図案の上からカット」で進めます。
描いた図案はコピーしておくと、原画を残しておけるので安心です。
カットは細かい部分からスタートし、無理のない力で刃をコントロールしながら丁寧に進めます。

曲線の部分は、カッターの動きに合わせて紙の角度を少しずつ調整すると、よりなめらかな仕上がりになります。

羽のラインなど焦らずゆっくりと。途中で一度深呼吸するくらいの気持ちで進めましょう。
カットし終えたら図案を取り外します。

完成です。

仕上げ
切り終えたシルエットは色紙や背景に貼り合わせていきます。
貼るときは、糊を少量ずつ、はみ出さないように使うのがコツです。
のりしろが残らないように、ピンセットや爪楊枝を使って細かい部分まで丁寧に貼っていきましょう。
完成したら、フレームに入れたり、カードに仕立てたり…飾り方の工夫も楽しんでみてくださいね。
ちょっと手を加えてワンランクアップの作り方

もっと素敵になる作り方を解説します。
基本の切り絵が完成したら、もう少しだけ手を加えて、作品に深みや個性をプラスしてみましょう。
ちょっとした工夫で、見た目の印象が大きく変わったり、飾ったときにより引き立つ作品になります。
ここでは、コージーがよく取り入れている“仕上げのひと工夫”をご紹介します。
色紙を貼り合わせる
切り絵の線画を黒一色のシルエットで仕上げるのも素敵ですが、その裏から色紙を貼り合わせることで、作品に色と奥行きを加えることができます。
お気に入りの色を選んで、カラフルな一枚に仕上げてみましょう。
コージーは100均の「すき紙」をつかって仕上げていきます。

トレペで色パーツをつくる
まずは、切り終えた図案の上にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆で線画のちょっと内側をなぞって“アタリ”をとります。

このアタリ線を色パーツづくりのガイドとして使います。
花びらや鳥の口、目など、色を入れたい部分をパーツごとに分けて写しておきます。

色パーツをカットして貼り合わせる
写したアタリ線を色紙に重ね、ていねいにカットしていきましょう。

そして切り絵の裏側から、糊を使ってぴったりと貼り合わせていきます。
コージーは精密ドライバーの先に糊をつけてそれを塗布していきます。

花びらにはピンク、鳥にはクリーム色など、色を変えるだけで作品全体の印象が華やかになります。


糊は少量ずつ使い、はみ出さないように気をつけるときれいに仕上がりますよ。

すべての色パーツを貼り終えたら、最後に背景紙と貼り合わせて完成です。
今回は、コージーは柔らかい風合いの「マーメイド紙」を背景に使ってみました。

やさしい質感が作品全体をふんわりと包んでくれて、春の光にぴったりの仕上がりになりました。
額装
切り絵が完成したら、ぜひ額に入れて飾ってみましょう。
額装するだけで、作品がぐっと引き立ち、まるで小さなアート作品のような存在感になります。
100均で売っている額でも十分に映えます。

シンプルなフレームでも、色や背景と合わせるととても可愛らしく仕上がりますよ。
贈り物にしたり、季節ごとに飾り替えたり。
額装すれば、切り絵の楽しみ方がさらに広がります。
まとめ
- 鳥モチーフは初心者にも扱いやすく、丸みのあるフォルムが切り絵にぴったり
- 必要な道具は、カッター・用紙・カッターマットの3点が基本
- 図案はシンプルな形から始めるのがポイント。丸や曲線で構成された鳥を描いてみましょう
- カット作業は、無理のない力でゆっくり丁寧に。曲線は紙の角度を調整して対応
- 色紙や背景を加えることで、作品の印象を自由にアレンジできる
- 楽しむ気持ちを大切に、少しずつ自分らしい作品づくりを目指しましょう
それでは次回、またお会いしましょう。
まめ、鳥の切り絵って作ったことある?羽の感じがうまく表現できると、とても楽しいよ。