春風にふわりと舞う、やさしい蝶の姿。
今回は、そんな蝶をモチーフにした切り絵をご紹介します。
繊細に見える蝶の羽も、やさしい図案を使えば、初めての方でも安心して作ることができます。
紙とハサミ、カッターさえあれば、特別な道具はいりません。
少しずつ線をなぞるように切っていけば、自分だけの小さなアートが生まれます。
色紙に貼って飾ったり、カードに仕立てたりと、蝶の切り絵はアレンジもいろいろ。
手のひらサイズの紙の中に、季節の光や風を感じる作品を仕上げてみませんか?
この記事では、必要な道具から、作り方の手順、仕上げのアイデアまでを丁寧にご紹介します。
私、コージー・ノア・ダニエルズは切り絵作家として10年、アクリル画で20年のキャリアを持ち、国内外の公募展での入選や展覧会への出展を通じて、幅広い活動を行ってきました。

「素敵な蝶の切り絵を作ってみたい」「プレゼントやお部屋の飾りにしてみたい」
そんな気持ちが芽生えたら、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
目次
ハサミで簡単に蝶をつくってみる!

うん、蝶は人気のモチーフだし、形もバランスがよくて切ってて楽しいんだ

でも、あの羽の模様とか、ちょっとハードル高そう… 失敗しそうで手が止まるっていうか

最初はシンプルに作れば大丈夫。ちょっとしたコツで、ちゃんと“蝶らしさ”が出てくるよ
切り絵がはじめての方も、気軽に楽しめる蝶の切り絵。
ここでは、やさしい作り方と模様の入れ方をステップごとにご紹介します。
折り紙を使えば、カラフルな蝶もすぐにつくれますよ。
用意するもの
色画用紙
100均の色画用紙で十分に使えます。

折り紙(好きな色や柄を選んでください)
100斤の折り紙でバッチリつくれます。

ハサミ

糊(スティックのりでも液体のりでもOK)

ピンセット(あると便利)

トレーシングペーパー
色パーツをつくるのに使います。

身近にある道具だけで始められます。
工作の延長のような感覚で、リラックスして楽しんでつくっていきましょう。
蝶のかたちを切ってみよう
好きな色の折り紙を1枚選びます。

折り紙を2つ折りにします。

まずは折り紙を半分に折ります。
この折り線が「左右の真ん中の線」になります。
折ったままの状態で、蝶の片側の形を鉛筆で薄く描いていきます。

羽は、上の羽を大きめに、下の羽を少し小さめにすると、バランスよく仕上がります。
蝶の写真や図鑑などを見ながら、イメージをふくらませて描くのもおすすめです。
線が描けたら、そのまま折った状態で、片側だけ蝶の半分の形をハサミで切っていきましょう。
(広げたときに、左右対称の蝶のかたちがあらわれます)

切るときは、線のすこし内側をなぞるように、ゆっくり丁寧に切っていきます。

これは、鉛筆の線が仕上がりに残らないようにするためです。

切り終えたら広げてみましょう。
蝶の形になっています。

羽に飾り模様をつけてみよう
次は、蝶の羽に小さな飾り模様を入れていきます。
折り紙の折り目に沿って、中央部分に切れ込みを入れましょう。

その切れ込みからハサミを入れて、羽の内側に模様を切っていきます。


細長い葉っぱのような形や、ハート型にしてもかわいく仕上がりますよ。
模様の間は少し余白を残しておくと、あとで色紙を貼り合わせるときにきれいにまとまります。

模様と模様の間は余白を残す
切り終えたら、そっと広げてみましょう。

蝶の羽の中に、小さな飾り模様がひらりと浮かび上がります。
色をつけて、蝶を仕上げよう!

色を入れると、作品のグレードがぐっと上がるんだよ

えっ、そうなの?……ちょっとやってみたくなってきた!
切った蝶の形に、色を加えていくと、作品の印象がぐんと華やかになります。
お気に入りの色紙を組み合わせて、羽に彩りをそえてみましょう。
作り方~ステップ1:型紙をとる
先ほど切った蝶の紙を広げて、その上にトレーシングペーパーを重ねます。

羽の飾り模様の外側に沿って、アタリ線を描いていきましょう。

この線が、あとで色紙を切るための型紙になります。
模様パーツの部分毎に少しトレペをずらして描いていきましょう。

模様パーツ部分毎に少しずらして描くのがポイントです
作り方 ステップ2:色紙をカットする
描いたトレーシングペーパーの線を、好きな色紙の上に重ねましょう。

重ねて軽くテープ止めします。

軽くテープ止めします
トレペの上からアタリ線に沿ってハサミで色紙を切り出します。

1色でまとめるのも素敵ですし、複数の色を組み合わせれば、ぐっと華やかになります。
コージーはピンクの折り紙を使ってみます。


どんな色を使おうか~そんな時間も、切り絵の楽しさのひとつです。

切り出した色紙はなくさないように気をつけてください。
作り方 ステップ3:色紙を貼り合わせる
切った色紙のパーツを、蝶の裏側から貼っていきます。
スティックのりや液体のりを使って、模様のフチにだけ軽く塗るのがコツです。

ピンセットを使えば、小さなパーツも貼りやすくて便利。

羽の左右バランスを見ながら、丁寧に位置を合わせていきましょう。
貼り終えたら完成です。

飾り方
完成した蝶は、台紙に貼って額に入れたり、カードに仕立てたりして飾ってみましょう。

光の当たり方で影が浮かび上がったり、背景の色との組み合わせで雰囲気が変わったり。
ちいさな紙の作品にも、さりげない表情が生まれます。
窓辺や机の上、好きな場所にそっと飾ると、日々の中にふわりと彩りが添えられますよ。
カッターで蝶をつくってみる

今日は、蝶をカッターで切ってみようか。ハサミとちがって、もっと繊細に表現できるんだ

へぇ〜、カッターって難しそうだけど…やってみたら面白そうかも

カーブも模様も、カッターならスッと切れるよ。最初はゆっくりで大丈夫

じゃあ、まずは羽からいってみようかな。どんな感じになるか楽しみ!
デザインナイフ(カッター)を使うと、より繊細で美しい蝶の切り絵が楽しめます。
細かな模様ややわらかなカーブも、カッターならではの表現ができますよ。
ここでは、図案づくりから色の貼り合わせ、飾り方までをご紹介します。
用意するもの
カッターで切る蝶の作品づくりには、以下の道具を用意しましょう。
特別なものはありませんが、細かな作業になるので、扱いやすい道具を選ぶのがポイントです。
デザインナイフ(カッター)
刃先が細くて、曲線が切りやすいものがおすすめです。


カッターマット
作業台を傷つけず、安全にカットできます

鉛筆またはシャープペン、マーカーペン、筆ペン
図案の下書きやトレースに使用します。
自分の使いやすいものがあれば大丈夫です。

トレーシングペーパー
図案を写すときに便利です。

色紙や折り紙
飾り模様の裏貼り用に使います。


のり
スティックのりや液体のりなど。

ピンセット
貼り合わせの細かい作業をするときにあると便利です。

作業中は手元が暗くならないように、明るい照明の下で作業することも大切です。
図案をつくる
まずは、蝶のかたちを紙の上に描いてみましょう。
形は左右対称になるように意識して、シンプルなシルエットから進めるのがおすすめです。
最初は、鉛筆で大まかにラフを描いてみましょう。
輪郭線から描き始めると、形の流れがつかみやすいです。
上の羽は大きく、下の羽は少し小さめにすると、蝶らしいバランスになりますよ。

蝶の写真や図鑑を参考にしてみるのもおすすめです。
羽の形や模様のヒントがたくさん見つかりますよ。
ラフが描けたら、その上からマーカーペンや濃いペンでなぞって線を整えます。
この線が、あとでカットするときの「切り取り線」になります。
羽に模様を入れたい場合は、葉っぱ、しずく、ハート型など、やわらかな曲線を意識して描いてみましょう。

模様を左右にバランスよく配置することで、蝶の美しさがより引き立ちます。
もちろん、少しくらい形がずれてしまっても大丈夫。
正解はひとつじゃないので、自分の思う“蝶らしさ”を大切にしながら、自由に描いてみてくださいね。
カッターで切りぬく
描いた図案は、黒い画用紙や好きな色紙の上に重ねましょう。

あらかじめコピーを取っておくと、もしカットを失敗してもやり直せるので安心です。
切るときは、図案と紙がずれないように、マスキングテープやセロテープで軽く固定します。

カットを始めるときは、内側の模様から先に切りましょう。

羽の中の飾りや小さな穴など、細かい部分を先に仕上げておくと、紙の強度が保たれて安定しやすくなります。

細かなカットが終わったら、最後に外側の輪郭を切って仕上げます。

この順番で進めると、紙がよれたり破れたりしにくくなり、全体の形もきれいに保てますよ。
切り終えたら取り出します。

いったん完成です。

切る順番のコツ
- 内側の飾り模様 → 外側の輪郭の順で切る
- 紙の端から切り始めると、途中で弱くなってしまいがち。繊細な部分は、紙がしっかりしているうちに切っておくと安心です
- 一気に切らず、休憩しながら丁寧に進めましょう
蝶をもっと素敵に仕上げる
切り抜いた蝶のシルエットを、色と模様で引き立てていくアレンジ編です。
色パーツを裏から貼ることで、透け感や陰影が生まれ、作品に奥行きや表情が加わります。
色パーツをつくる
切り抜いた蝶の羽の中に貼る、色パーツを作っていきます。
羽の飾り模様に合わせて、好きな色の紙を切り出していきましょう。
今回、コージーはすき紙使っていきます。

トレーシングペーパーを、完成した図案の上に重ねましょう。

その上から、羽の装飾模様のまわりにアタリ線を描いていきます。

アタリ線は、パーツごとに少しずつ間隔をあけて描くのがポイントです。
模様同士が近すぎると、あとで切り分けるときに作業がしにくくなってしまいます。
羽の内側にある飾り模様すべてにアタリ線をつけていきましょう。

この工程がしっかりできていると、色パーツをつくるときもスムーズです。
トレーシングペーパーを色紙の上に重ねて、描いたアタリ線の上から丁寧にカットしていきます。

線に沿って、ゆっくり焦らず、パーツをひとつひとつ切り出していきましょう。

パーツ毎に色を変えていきます。
いくつかの色を組み合わせて、カラフルに仕上げていきましょう。

色の変化が出ると、ぐっと可愛らしさが増しますよ。


すべてのパーツが切り終わったら、色パーツの準備は完了です。

あとは、カットした蝶の裏側から、これらのパーツを貼り合わせていくだけ。
色パーツを貼る
色パーツが準備できたら、切り絵の裏側から色のパーツを貼り合わせていきます。
のりはスティックのりや液体のりなど、乾きが早くて扱いやすいものを少量ずつ使いましょう。
糊は、図案の裏側に点描を打つように、少量ずつやさしく塗っていきましょう。

糊は点描を打つように塗っていく
べったり塗らずに、模様のフチや角にちょんちょんとつけるのがコツです。
ピンセットを使うと、小さなパーツも位置合わせしやすく、きれいに仕上げやすいです。

そこに、先ほど切り出した色パーツを少しずつ丁寧に貼り合わせていきます。

すべての色パーツを貼り終えたらカッターでつくる蝶の切り絵、完成です。

額装してみると、ぐっと雰囲気が出て、なんだか蝶が本当に羽ばたきそうに見えました。

まとめ
- はさみを使えば、折り紙を折って左右対称の蝶がかんたんにつくれます
- 羽のかたちや飾り模様は、自分のイメージをふくらませながら描くのがポイントです
- カッターを使えば、細かな模様ややわらかな曲線をより繊細に表現できます
- 図案は左右対称を意識し、羽の模様は葉っぱやしずく型など曲線基調にすると蝶らしさが増します
- 色パーツはトレーシングペーパーで写し取り、好きな色紙に写して丁寧にカット
- 糊は少量ずつ裏から塗り、ピンセットを使いながら丁寧に貼り合わせましょう
それでは次回またお会いしましょう!
蝶の切り絵って、けっこう映えるよね。SNSでもよく見るかも