切り絵で楽しむ簡単イラストの作り方~カラフルな作品をつくろう!

繊細に切り抜かれたシルエットが、紙の上に美しく浮かび上がる切り絵。

子どもの頃に作った経験のある方も、きっと少なくないのではないでしょうか。

紙を切って描く切り絵は、絵画とはまた違った奥深さやワクワクが詰まったアートです。

「なんだか難しそう…」と感じるかもしれないけれど、やさしい図案から始めれば、初心者さんでもきっと楽しく作品が仕上がります。

この記事では、誰でも切り絵を楽しめるように、コツや技法をやさしくご紹介します。

私、コージー・ノア・ダニエルズは、切り絵作家として10年、アクリル画では20年のキャリアを持ち、国内外の公募展への入選や展覧会出展など、幅広く活動してきました。

ゴッホの絵の前で記念ショット

今回は、初めて切り絵に挑戦する方にもぴったりの、基本の作り方をわかりやすく紹介します。

取り組みやすいデザインの工夫から、きれいに切るためのポイント、作品を彩る仕上げのアイデアまで、丁寧に解説しています。

気軽に紙とカッターを手にとって、一緒に切り絵の世界を楽しんでみましょう!

切り絵の魅力と楽しみ方

コージー

切り絵は手軽なアートだよ。

使う道具はとてもシンプル。

特別な準備がなくても、カッターやハサミ、そして紙があれば、すぐに始められるのも嬉しいポイントです。

さらに、黒一色だけでなく、色とりどりの紙を組み合わせれば、よりカラフルで華やかな作品に仕上がります。

季節の花やフルーツ、動物たちのモチーフなどを自由に選んで並べれば、まるで物語のワンシーンのような、夢のある世界が広がっていきます。

りんごと花を合わせた図案の例

「難しそう…」と思っている方も、まずは簡単な図案から試してみてください。

線をなぞって、切って、貼る――その繰り返しのなかで、いつの間にか心がほぐれていくような、静かで豊かな時間が待っています。

必要な道具と材料

コージー

使う道具や材料を紹介します。

切り絵は、特別な機械や高価な道具がなくても始められるクラフトアートです。

ここでは、初めての方でもそろえやすい基本の道具と材料をご紹介します。

図案

 作品のもとになる設計図のようなものです。

インターネット上には、無料で使える図案がたくさん公開されています。

初心者でも挑戦しやすいシンプルなデザインから、繊細で凝った模様まで、種類も豊富です。

なかでも花の図案はかたちが分かりやすく、線も穏やかなので、初めて切り絵に挑戦する方にもおすすめです。

チューリップやマーガレット、菜の花など、身近な植物をモチーフにした図案なら、楽しく作りながら自然とコツもつかめます。

マーガレットの図案

もちろん、自分で好きなモチーフをスケッチしてオリジナルの図案を描くのも楽しい時間になります。

季節の花、動物、幾何学模様など、自由な発想で選んでみましょう。

黒画用紙

切り絵のメインになるベース用紙です。

作品の輪郭や形を際立たせるためには、黒や濃い色の画用紙が適しています。

紙の厚みはあまり厚すぎないものが扱いやすく、カットもしやすいのでおすすめです。

A4サイズや正方形など、用途に合わせたサイズで用意しましょう。

色紙

 切り絵の裏側に貼って、作品に色を加えるための紙です。

単色の色紙はもちろん、和紙や千代紙、包装紙や折り紙など、さまざまな紙を組み合わせることで、カラフルで立体感のある仕上がりになります。

テーマや季節に合わせて、色の組み合わせを考えるのも楽しみのひとつです。

デザインナイフ

細かいパーツやカーブを切るのに便利な専用カッターです。

普通のカッターよりも刃が小さく、細かな動きに対応できるため、繊細な図案も美しく仕上げることができます。

刃先はとても鋭いため、使い始める前に持ち方や切るコツを練習しておくと安心です。

カッターマット

切る作業の際に、机やテーブルを傷つけないようにするためのマットです。

下に敷くことで刃の滑りを抑え、安全にカット作業ができます。

目盛りがついたものなら、パーツの大きさや位置を測るのにも便利です。

のり

色紙を切り絵の裏から貼り合わせるときに使います。

液体のりやスティックのりなど、使いやすいものを選びましょう。

細かいパーツを貼るときは、つまようじや精密ドライバーなどを使って少量ずつ塗ると、はみ出しを防げて仕上がりもきれいになります。

トレーシングペーパー

色紙が透けない場合に便利な紙です。

切り抜いた部分に色を入れるため、裏側から正確にパーツの形を写すときに使います。

トレーシングペーパーに図案を写してから色紙に転写することで、ぴったり合ったパーツを作ることができます。

基本的な切り絵作品の作り方~花のスワッグをつくってみよう~ 

図案の描き方

まずはスワッグの図案を描きます。

いくつかの花を束ねている感じで描いてみましょう。

今回はチューリップの花と葉っぱを描いていきます。

紙はコピー用紙でも何でもOKです。

紙に鉛筆で描いたら、それを筆ペン等で上書きして図案を仕上げます。

筆ペンで描いてみました。

線に強弱をつけて立体的にみせていきます。

この図案を使って、やさしい雰囲気の作品に仕上げていきます。

 切り抜きのやり方

黒画用紙の上に図案を重ね、ホチキスやマスキングテープでしっかり固定します。

コージーはマスキングテープで固定します。

次は、図案の白い部分をデザインナイフで丁寧に切り抜いていきます。

細かいパーツやカーブは、無理をせず、焦らず少しずつ進めていくのがコツです。

カーブは紙を回したりして作業しやすい形にして切っていくのがコツです。

カーブで途中でとめて紙を回してカットしていきます。
ゆっくり焦らずにカットしていきます。

最初は内側の細かな模様やパーツから切り始め、最後に外側の輪郭線を切り抜くと、紙がぐらつかずきれいに仕上がります。

輪郭線をカットしていきます。

ナイフを持つ手に力が入りすぎると、思わぬところで紙が裂けてしまうことも。

「すーっ、すーっ」と呼吸をするようなリズムで、やさしくナイフを動かしてみてください。

うまく切れたときの感触や、だんだん模様が浮かび上がってくる楽しさも、切り絵の大きな魅力のひとつです。

切れたら図案を取り出します。

紙を裏返して図案を取り出します。
いったん完成です。

切り絵に色をつけるやり方

切り終えた切り絵の裏側にトレーシングペーパーを重ねて、色パーツの型をとります。

トレペを重ねます。

この作業は、あとから色紙をぴったり貼るための大切なステップです。

型を取るときは、切り絵の外側ギリギリではなく、ほんの少しだけ内側、つまり輪郭の“真ん中あたり”に線を引くように意識してみてください。

輪郭線の真ん中を鉛筆でなぞります。

こうすることで、色紙を貼ったときに紙が外にはみ出したり、余計な部分が見えてしまったりするのを防げます。

細かいパーツや重なりが多い部分は、パーツごとに少し離してトレーシングペーパーで型を取っておきます。

パーツ毎に離して型をなぞっていきます。

ちょっとした手間ですが、この一手間で完成度がぐっとアップします。

丁寧に型を取っていきましょう。

型を取り終えました。

色紙の切り方

トレーシングペーパーに描いた型を色紙の上に重ねて、ずれないようにそっと押さえながらカッターでなぞるように切っていきます。

折り紙が使いやすいですが和紙など、いろいろな質感の紙を使ってみるのもおすすめです。

色紙の選び方や色の組み合わせによって、同じ図案でもまったく違う雰囲気の作品になります。

今回コージーは100均で買った「すき紙」を使いました。

明るい色を組み合わせれば元気な印象に、やさしい色合いならナチュラルで落ち着いた雰囲気にも仕上がります。

自分だけの“色合わせ”を楽しみながら、好きな色や質感を選んでみてください。

カットの仕方ですがトレペを色紙の上に重ねてその上からカットしていきます。

細かいパーツやカーブは、無理せず少しずつ進めるのがきれいに仕上げるポイントです。

色紙に型を取ったトレペを重ねます。
トレペの上からカットします。

パーツ毎に色を変えてみるのもおすすめです。

黄色いチューリップのパーツを切ってます。
葉っぱは緑にしました。

カットしたパーツは無くさないように注意してください。

色紙の貼り方

カットした色紙を、切り絵の裏側からひとつひとつ貼り合わせていきます。

このとき、のりは少量ずつ使うのがきれいに仕上げるコツです。

つまようじや精密ドライバーなどを使って、そっと塗ると失敗しにくくなります。

塗る際は「糊の点を打つ」ような感覚でやることがポイントです。

糊の点を打つように。

糊を塗ったらその上に色紙を貼っていきます。

色紙を貼ったら、指先や柔らかい布でやさしく上から押さえて、紙をなじませましょう。

パーツごとに位置や色合いを確認しながら、ひとつひとつ丁寧に貼り進めていく時間も、切り絵の楽しさのひとつです。

時おり表側から確認しながら進めていきます。

全体がきれいに仕上がると、完成がぐっと近づいてきますよ。

仕上げのやり方

すべての色パーツを貼り終えたら、作品を表側からじっくり眺めて、全体のバランスや細かい部分をチェックしてみましょう。

もし色紙がはみ出しているところや、のりが気になる部分があれば、カッターやはさみで丁寧に整えてあげると、より美しく仕上がります。

仕上げのひと手間を加えることで、作品がぐっと引き締まり、自分だけの特別な一枚になります。

じっくり作り上げた時間ごと、やさしい思い出が一枚の作品に宿ります。

飾り方について

額装する

完成した切り絵は、ぜひ額装して飾ってみてください。

シンプルなフレームに入れるだけでも、作品がぐっと引き立ち、まるで小さなアートギャラリーのような雰囲気になります。

お部屋の壁や玄関、デスクの上など、お気に入りの場所にそっと飾れば、日常のなかにふとした彩りや癒やしが生まれます。

季節や気分に合わせて、いくつか作品を入れ替えて楽しむのも素敵です。

贈り物にする

また、贈り物としてラッピングしてプレゼントするのもおすすめ。

自分の手で作った切り絵は、きっと大切な人の心にもやさしく届くはずです。

あなたの作品が、毎日の景色に小さなときめきを添えてくれますように。

まとめ

  • シンプルな道具で気軽に始められるアート

カッターやハサミ、黒画用紙、色紙など、身近な材料で手軽に切り絵を楽しめます。

初心者さんでもやさしい図案からスタートできます。

  • 図案選びから広がる創造力

花やフルーツ、動物など、自由なモチーフでオリジナル図案を描いたり、インターネット上の無料図案も活用できます。

特に花の図案はかたちがわかりやすく、初めてでも挑戦しやすいです。

  • 丁寧な切り抜きでシルエットを表現

図案をしっかり固定して、デザインナイフで細部から順に切り抜きます。

リズムよく切ることで、繊細なラインが美しく仕上がります。

  • 色紙や和紙で自分だけの彩りをプラス

トレーシングペーパーで型を取り、色紙をぴったりカット。

色や質感の組み合わせ次第で作品の雰囲気が大きく変わるので、色選びも楽しみのひとつです。

  • 完成したら額装して飾ろう!

仕上げに全体をチェックし、額縁に入れて飾ればインテリアとしても素敵です。

季節や気分で作品を入れ替えたり、プレゼントにしても喜ばれます。

それでは次回、またお会いしましょう。

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